企画セッション
概要
企画セッションは参加者にとって関心が高く,より詳細な研究テーマに焦点をあてたセッションです.
企画セッションの講演原稿のフォーマット,投稿方法,1セッションのあたりの発表数,講演時間等は一般セッションと同じです.ただし,オーガナイザの裁量で1スロットにつき講演1件分を議論の時間にあてることができます.セッションの時間帯やスロット数は,大会プログラム作成時に全国大会委員会大会プログラム部会にて講演申込み数や全国大会全体の構成に応じて決定いたします.講演申込みは大会Webの講演申込みサイトより,一般から公募いたします.また,企画セッションでの発表も大会奨励賞の対象となります.
オーガナイザにご担当いただく事項
発表募集の広報
企画セッションの概要は全国大会Webページに掲載されます企画セッションのプログラム(発表順)の決定
発表申し込み数によっては,一部の発表を一般セッションに移動する必要が生じます.
その際,オーガナイザには一般セッションに移動する発表を決定していただきます.座長の選定
原則としてオーガナイザが座長をご担当ください.セッションが複数になった場合は,各セッションの座長を異なるオーガナイザで担当していただきます.当日のセッション運営
企画セッション一覧
エージェンシー育成のための社会情動的スキルに関する研究
オーガナイザ
⽥中洋⼀(仁愛⼥⼦短期⼤学), ⼭川修(Safeology研究所), 多川孝央(筑紫女学園大学), 藤平昌寿(⾃治医科⼤学), 安武公⼀(広島⼤学), 真嶋由貴恵(⼤阪公⽴⼤学)
概要
OECDは2030年に向けた教育改⾰のビジョンとなるラーニング・コンパスの中で,エージェンシーと呼ばれる中核的概念を提唱している.エージェンシーとは変⾰を起こすために⽬標を設定し⾏動する能⼒と考えられているが,OECDはそれを発達させる基盤の⼀つとして,社会情動的スキルをあげている.そこで,本企画セッションではエージェンシー育成を意識した社会情動的スキルに関する理論的および実践的研究を広く募集する.ここには,我々が今まで企画したセッションテーマである「対話」や「SEL(Social and Emotional Learning)」も含まれるので,是⾮応募していただきたい.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 教育・学習⼿法 → 協調学習
キーワード:コミュニケーション⽀援,コミュニティ⽀援,グループ学習
テーマ独⾃のキーワード:エージェンシー、社会情動的スキル,対話
教育DXを支えるLA(Learning Analytics)の多面的検討
オーガナイザ
緒方広明(京都大学),柏原昭博(電気通信大学),田村恭久(上智大学),林佑樹(大阪府立大学),松居辰則(早稲田大学),村上正行(大阪大学),吉田自由児(デジタル・ナレッジ),加藤泰久(東京通信大学),仲林清(千葉工業大学),真嶋由貴惠(大阪府立大学),森本容介(放送大学)
概要
DX(デジタルトランスフォーメーション, Digital Transformation)とは,「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し,データとデジタル技術を活用して,顧客や社会のニーズを基に,製品やサービス,ビジネスモデルを変革するとともに,業務そのものや,組織,プロセス,企業文化・風土を変革し,競争上の優位性を確立すること」(経済産業省)とされる.教育や学習においてもDX(教育DX)は今後の重要な課題となる.さらに,教育DXを実現するためにはLA(Learning Analytics(学習データの活用))がその基盤となる.大規模な学習履歴,あるいは粒度の細かな学習行動履歴,生体情報等(学習データ)から学習者の学習過程のみならず思考過程,心的状態をも把握できる可能性に期待が寄せられている.学習評価・教育評価の観点からは「今までできなかったこと」,つまり,学習プロセスに関する評価の可能性への期待であると考えられる.DXの本質は,ICTの利活用をさらに高度化し,データ・技術・人間が共生して新たな価値を創出することにある.したがって,LAは「技術と人間の共生」という考えのもと戦略的かつ計画的(何をデジタル化するのか,何ができるようなるのか,何が変わるのか)に位置づけられる必要がある.そこで,本企画セッションでは,教育DXの基盤となるLAに関する理論・技術・実践の先進的な事例やツールをご紹介いただき,教育DXの基盤となる実効性の高いLAを実現するための課題を共有し,産官学連携も視野に入れた多面的な議論を行いたい.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 設計 → 学習環境デザイン
支援対象 → 分析・評価 → 学習者特性・行動分析
支援対象 → 分析・評価 → 学習評価・アセスメント
技術 → 先進的学習支援技術 → 分析技術
キーワード:学習科学,ポートフォリオ,テスト理論,レスポンス分析,数理モデル,データマイニング,学習データ,ラーニングアナリティクス,ビッグデータ,学習過程,思考過程,心的状態,生体情報,学習履歴
学習体験における先進的学習メディアとIA(Intelligence Amplification)
オーガナイザ
長谷川忍(北陸科学技術大学院大学), 松浦健二(徳島大学), 國宗永佳(千葉工業大学), 宇都雅輝(電気通信大学), 山元翔(近畿大学), 田和辻可昌(早稲田大学), 柏原昭博(電気通信大学大学院情報理工学研究科), 曽我真人(和歌山大学), 小尻智子(関西大学)
概要
ソーシャルロボット,XR(Extended Reality and/or Cross Reality)などの先進的学習メディアの進展や,コロナ禍を契機としたコンピュータやネットワークの利用を前提とした教育・学習環境の普及に伴い,教育システム情報学の分野では新たな技術適用にとどまらず,学習体験を通じたIA(Intelligence Amplification)の在り方に関する研究の重要性が高まっている.このような研究を実現するためには,学習における認知的,身体的,情動的な増幅を効果的に引き出すメカニズム(学習のモデル)と,活用するメディアやデバイスの特性を活かした教育・学習支援のデザイン,知識やスキル,エンゲージメントの評価の枠組みが必要不可欠である.本企画セッションは,昨年開催された企画セッション「ニューノーマル時代における先進的な学習状態推定と学習体験創出」を発展させたものであり,関連研究を一堂に会して先進的学習支援技術の研究・開発を幅広く推進することを狙いとしている.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
技術 → 先進的学習支援技術 → 先進的学習支援
キーワード:アフェクティブコンピューティング,VR,AR,学習者モデル
テーマ独⾃のキーワード:XR,IA,学習状態推定,学習体験拡張,適応的学習支援
近未来の医療者教育
オーガナイザ
真嶋由貴恵(大阪府立大学),中村裕美子(大阪府立大学),木下淳博(東京医科歯科大学),須永昌代(東京医科歯科大学)
概要
長引くCOVID-19の流行において,医療者等の教育機関では臨床実習の中止,オンライン・オンデマンド教育が余儀なくされました.一方で,旧態依然の医療者教育からの脱却が真に求められ,実践されてもいます.そこで,本企画セッションでは,COVID-19の流行時での医療職等の教育分野での課題を明らかにし,オンライン会議システム,ICTによる教授方法の工夫やARやVR,センシング,IoT,AI,エージェントなどの新たなツールの活用,教育評価におけるビッグデータ解析,IRなどから明らかになった新たな知見に関する研究報告を募集し,近未来の医療者教育について議論いたします.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 領域別教育 → 医療・看護・福祉教育
キーワード:医療者教育,専門職教育,継続教育,社会人教育,施設内教育,研修デザイン,スキル学習,健康教育,患者教育,ロボット・AI・IoTの活用,質保証,eラーニング,臨地実習支援,AR/VR,LMS,評価手法,ユーザインターフェース
エビデンスに基づいた学習者中心の教育・学習支援
オーガナイザ
瀬田和久(大阪公立大学),村上正行(大阪大学),後藤田中(香川大学),田中孝治(金沢工業大学),高木正則(電気通信大学),山崎治(千葉工業大学)
概要
2020年3月から感染が拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により,多くの教育機関で遠隔・オンライン教育が実施されました.同時に,LMSやeポートフォリオの利用が進み,これまで以上に多くの学習記録データ(学習履歴や学習成果物等の授業・学習の記録)が蓄積されるようになり,蓄積された学習記録データを学習者のために活用しようとする機運が高まっています.また,近年では,学習中の生体情報を比較的容易に取得できるようになってきました.そこで,本セッションでは,学習者中心の教育・学習の支援を目指し,学習記録データ等の収集,蓄積,分析,可視化に関する技術,学習記録データ等の分析結果に基づいた教育・学習の実践に関する研究,生体情報を学習支援に応用した研究等を広く募集します.なお,本セッションは,学会誌2025年度特集号(2024年6月投稿締切予定)の企画と連動するものです.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
支援対象 → 分析・評価 → 学習者特性・行動
技術 → ICT活用 → プラットフォーム活用
技術 → 先進的学習支援技術 → 分析技術
キーワード:ラーニングアナリティクス,ビッグデータ,教学インスティテューショナル・リサーチ(IR),学習履歴分析,eポートフォリオ
テーマ独⾃のキーワード:教育DX,個別最適な学び,ダッシュボード,学習履歴の蓄積・統合
教育DXと実世界指向学習環境
オーガナイザ
鷹野孝典(神奈川工科大学),佐々木整(拓殖大学),三石大(東北大学),光原弘幸(徳島大学),高木正則(岩手県立大学)
概要
携帯情報端末や高速無線通信,存在感を有して知的に振る舞うロボット,身の回りの様々なモノをコンピューティングの対象とするIoT,実世界と仮想世界を融合した学習環境を提供するMR/VR/ARなど,新しい教育学習環境を切り拓く技術が次々と社会に浸透しており,このような新技術は教育学習環境を大きく変えようとしています.
また,教育学習環境のオンライン化の浸透とともに,教育現場におけるDXへの関心が急速に高まっています.学び方や教え方のパラダイムシフトの必要性や可能性を実感する一方で,実際にその場に訪れ,人やモノと接することでしか得られない学びを提供する実世界指向の教育学習環境の重要性も指摘されています.
こうした教育学習環境の急速な変化を踏まえ,「教育DXと実世界指向学習環境」について,そのための教授設計も含め, システム・基礎技術の開発, 実践, ならびに, 新しい教育・学習手法に関する研究発表を募集し, 共に考える議論の場としたいと考えています.
カテゴリ表との対応(議論観点 → カテゴリ → 分野名)
技術→ICT活用 →ディバイス活用
技術→先進的学習支援技術→先進的学習支援
技術→先進的学習支援技術→ユーザインタフェイス
キーワード:モバイル,タブレット,ユビキタス,ウェアラブル,ヒューマノイドロボット,IoT,AI(人工知能),アフェクティブコンピューティング,エージェント,機械学習,情報検索,適応的支援,ナビゲーション支援,リフレクション支援,情報推薦,ゲーミフィケーション,外在化支援,抽象化支援,知識マップ,仮想現実(VR),拡張現実(AR),HCI,視線入力,ヘッドマウントディスプレイ(HMD),ジェスチャ入力,3D,可視化,センサーデバイス,音声入力,シミュレーション,マイクロワールド,擬人化技術,アウェアネス,テレイグジスタンス,力覚情報,ヒューマノイドロボット
テーマ独⾃のキーワード:個別最適化,パーソナライズ学習,教育DX,実世界指向学習環境