第48回全国大会 終了報告

2023年8月29日(火)から31日(木)までの期間,教育システム情報学会全国大会を近畿大学とオンラインのハイブリッド形式で開催しました.まず,素晴らしい大会運営をしていただきました近畿大学の井口先生,越智先生をはじめとする現地実行委員の皆様,そして4年ぶりのフルプログラムを試行錯誤しながら企画・運営してくださった大会委員の皆様に心より感謝申し上げます.また,プレカンファレンスや企画セッションなどの企画をオーガナイズして大会を盛り上げてくださった皆様,ご登壇いただきました皆様,座長をお引き受けいただきました皆様,そして大会に参加いただきました皆様に心よりお礼を申し上げます.

本大会では4年ぶりに懇親会や現地企画が開催され,フルプログラムでの開催となりました.それに加え,プレカンファレンスが8つ実施されたり,企業展示に12社に参加していただいたりと,充実したプログラムとなりました.大会参加者は416名で,そのうち現地参加者は322名,懇親会には151名もの方が集まりました. 

今年は開催校の近畿大学情報学部の特色が反映された学会になりました.特にオープニングや基調講演,メインシンポジウムなどのメインイベントを開催したオンデマンドサロンは,カフェのように配置されたテーブルの中心にステージが配置されているオープンな空間で,ステージの360度すべてに聴衆者がおり,かつ聴衆者との距離が非常に近い独特な場でした.最初はどこを向いて話せばよいか戸惑う登壇者もいましたが,慣れてくると聴衆とのやりとりをしながら講演をするなど,例年の舞台でのイベントとは異なり,インタラクティブでアットホームな雰囲気となりました.

近畿大学の特色はこれだけではなく,企業展示をまわって集めるスタンプラリーでは,近畿大学産のグルメが景品となりました.また,最終日の現地企画では,esportsと教育についての意見交換がなされた後,近畿大学のesports専用の施設esports Arenaの見学会が実施され,近畿大学の充実した施設を体感することのできる企画となりました.

さて,本大会のテーマはXRがキーワードであり, メインイベントではXRを用いた教育・学習環境に本学会がどのように貢献できるかを探っていくことを目的としたシンポジウムが実施されました.メタバースを運営しているクラスター株式会社の加藤様,XRを対象としたHCI研究者の東京大学の鳴海先生,VR・ARの教育応用を実践していらっしゃるフィール・フィジックス社の植田先生をお招きし,XRで可能となったこと,XR空間で目指すことについて議論しました.特に指定討論者の電気通信大学の柏原先生と香川大学の後藤田先生からの質問は鋭く,見ごたえのある議論となりました.

来年は学会設立50周年となります.千葉県の明海大学にて開催いたします全国大会は 50周年を祝う盛大な会にできればと思っています.来年も多くの方のご参加をお待ちしています.

大会委員長 関西大学 小尻智子