大会趣旨
XR がもたらす学びの場と新しい学習・教育の可能性
コロナ禍で対面活動が制約されている間,私たちは会議や講義など,これまで現実世界で行っていた様々な活動をオンラインで実施するようになりました.ニューノーマルでは他者と仮想空間でやりとりすることが活動の選択肢の一つとなりつつあります.
一方,近年の XR(Extended Reality and/or Cross Reality) の発展に伴い,メタバースをはじめとする仮想空間が急速に発展,普及してきています.コンサートや大学の講義など現実世界で実施される様々な活動が仮想空間で実施されるようになりました.
XR に基づいた仮想空間では,人の現実世界での行動を投影した仮想世界のエージェントの体験を介し,現実世界でできることだけではなく,現実世界ではできないことまでもリアリティを伴った自身の活動として体験することができます.その世界で観察したことや得られた刺激は,現実世界の私たちに気づきや学びを誘発します.また,そのような気づきや学びは,現実世界の学びそのものも拡張することができます.そのため,知識獲得をもたらす体験につながるような現実世界と融合した世界をXRを用いてうまく設計することができれば,新しい学びや学び方につながる,広く・新しい可能性を踏まえた教育の場を実現することできます.
このような背景をふまえ,本大会では XR がもたらす仮想空間での新しい体験とそこで実現可能な新しい学びについて考えるとともに,XR で必要とされる学びの支援技術,XR を活用した教育実践,さらには今後期待される XR の展開について議論していきたいと思います.
大会委員長 関西大学 小尻智子